本ブログの更新について

 本ブログの更新は2016年3月31日をもって終了しました.ありがとうございました.
posted by みっちぃ (管理人)

2013年08月20日

日本らしいものづくり


 先日の動画に続き,さっそく水野氏の著書を読んだ.同氏が日産の社内での向かい風に耐えながら,いかにして自分の信念を曲げずにやってきたかがよくわかる.その強い信念の源こそが本のタイトルにもある「非常識な本質」だったということだ.
 私自身はIT分野の研究者であり,実際に情報システムを開発したりする立場でもある.IT分野は他の工学分野よりも進歩が早く新しい技術を勉強し仕事で使おうとしている頃には,既に新しい技術が登場している.ITで飯を食う立場でいる限り,新しいことに取り組んでいくことは宿命とも言える.こういった話はもはや常識化しているが,果たしてそれは本質をとらえているのか.
 同書に
超一流のプロになるには,日頃の努力の向こうにある「鍛錬」が求められているのです.それは,体の感覚と頭の感覚,想像力がすべて一致するところまでお客様の感動や喜びのために自らを鍛えぬくこと.自分のために単にお金儲けをしようとしている三流の料理人とはまったく違うのです.
という一節が出てくる.これはITの技術者にも,(分野を問わず)研究者にも共通することだと思う.
 ユーザのことを第一に考えたら,新しい技術を次から次へと手当たり次第に採用していくのではなく,1つの技術を極めていった方が生産性が高く品質のよいものが出来る可能性も高い.もちろん,新しい技術を採用した方が生産性や品質が高まるケースもあるかもしれないが,そのような技術革新は3年や5年でサイクルするようなものではないだろう.大事なのは採用する技術がいかにユーザ要求にマッチしているかということなのだ.
 そして同氏も言うように
クラフトマンシップとは,そもそも職人が自分の技量と優秀さを支配層である王侯貴族に認めてもらい,パトロンになってもらい,自分の地位や名誉を上げることを意味しています.
一方,日本の匠とは,自分の作品を買ってくれた人の孫の代まで使ってほしいという思いを込めてつくり上げる者のこと.
(中略)これが,効率だけではない日本人ならではの「匠の技」の本質なんです.
であり,
この文化を武器にしない日本のモノづくりは,いずれ競争力を失うことになる.
と私も思うのだ.
 某氏が大手メディアのネット上での連載で,
 筆者が日本で仕事をしている中で、これは日本人の特徴とだなと思えることがある。それは、小手先の技術に注力しがちであることだ。(中略)だから、この国のITは冴えないのだ。
と述べている.「小手先の技術」と表現してしまうところが,私は本質を見誤っていると思う.水野氏の著書を読んで改めてそう思ったのである.日本の“「匠の技」の本質”を踏まえれば,日本のモノづくりの特徴は“その場しのぎで、将来を見通した深い考えのないこと。(Goo辞書)”なんかでは全くないのである.

2013-08-21 00:50 一部修正
posted by みっちぃ (管理人) at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/72892217

この記事へのトラックバック