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posted by みっちぃ (管理人)

2007年07月15日

論文執筆でMS-Wordを使う時のコツ 5/段落区切りの使い分けとハイフネーション

 論文原稿の作成の定番といえばTexですが,最近ではMS-WORDを使うことも多くなりました.今まで,以下のトピックを紹介しました.
  • Part1:図表はテキストボックスの中に入れてレイアウトする.
  • Part2:オートシェイプによる図はPowerPointで作成し,拡張メタファイルとしてWord上に貼りつける.
  • Part3:段落の行送りをマスターする.
  • Part4:表を作成する
今回は,改行と段落区切りの使い分けとハイフネーションについて扱います.

【問題点】
 MS-Wordには,文字間隔を自動調整する機能があります. この機能のおかげで体裁の良い文章となりますが,英語論文を書いているときや文章中に数式を含める場合など,この自動調節機能が邪魔になる場合があります. 自動調節機能のおかげで,文字間隔が不自然に空いてしまったりすることがあります.

【解決方法】
 自動調節機能を活かしたままこれらの問題を解決するには,...“改行”と段落区切りの使い分け,禁則処理の機能を理解しなければなりません. ハイフネーションの機能の活用も検討すべきです.

【主な使用方法と解説】
1.改行と段落区切りについて
 Wordを使用しているとき“Enter”キーを「改行」だと思っている方は少なくないと思います. “Enter”でカーソルに位置に挿入されるのは「段落区切り」です. 段落とは,長い文章の中の、一つの主題をもってまとまった部分(大辞林 第二版)です. 段落はいくつかの文から成りますが,Wordは書式設定に基づいて自動的に改行することで,体裁の整った文章を作成することができます.  一方,段落中に意図的に「改行」を挿入する方法があります.“Shift”キーを押しながら“Enter”を押下します. 書式設定(段落書式設定)にもよりますが,「段落区切り」と「改行」は見分けがつかないかもしれません. しかし,Wordが文章を扱う上で意味が大きく異なるものなのです.


図1 改行挿入前


図2 改行挿入後


図3 ハイフネーション前の文例


図4 2行連続のハイフネーション例


図5 1行制限のハイフネーション例
2.自動的な改行
 先の説明で,Wordは書式設定に基づいて自動的に改行していると書きました. この自動的な改行は,Wordを使う上でほとんど意識する必要はありません. しかし,例えば“「」”で区切られた文の一部があり,それが自動的な改行によって“「”が行の一番後ろに来た場合どうなるでしょうか. または,句点“。”が行の一番最初にきてしまったらどうでしょうか. 不自然な改行になってしまいます.  この様な不自然な改行を避けるために“禁則処理”設定があります.禁則処理を行うか否かは段落単位で設定できます. 具体的には,禁則処理を行いたい段落にカーソルを移動してから,メニューより[書式]−[段落]をクリックします. “段落”設定ダイアログで「体裁」タブをクリックし,“禁則処理を行う”をチェックします.  なお,禁則処理の詳細な設定も可能です.「体裁」タブの「オプション」ボタンをクリックします. “文書体裁”ダイアログが表示され,禁則文字を設定できるようになっています. 例えば「行頭禁則文字」には,行頭に来ては困る文字(例えば句点“。”など)が入っています. 必要に応じて文字を追加します.

3.意図的な改行
 禁則処理を行った場合でも,不自然な改行になってしまうことがあります. 特に日本語と英字が混在している場合や,数式を文章上に書いた場合に起こります. 例えば図1の例では,3行目のxnの定義式が途中で改行されてしまいました. このような場合,先に述べたように意図的に改行を挿入する方法が有効です. 図2では,“パラメータ”の後ろに改行を挿入しました.

4.ハイフネーション
 英語で論文を書いていると,どうしても単語間の空白が多い行ができてしまいます. この問題に対して書籍などで見かけるのは,単語を分割しながら改行する場合にハイフネーションを使う方法です. MS-Wordでもハイフネーションを行うことができます.  図3はハイフネーションを使う前の例です.単語間の間隔が広くなってしまっています. そこで,自動的なハイフネーション機能を使います. 具体的には,まずメニューから[ツール]−[その他校正ツール]−[ハイフネーション]をクリックします. ハイフネーションの設定画面が表示されますので「単語を自動的に区切る」にチェックを入れます. “ハイフネーション調整幅”は任意ですが,あまり多くしすぎるとハイフネーションが起こりすぎて不自然です. 「最大連続行数」はハイフネーションすべき行が連続する場合に,これを制限するものです. 例えば図4の例はハイフネーションが2行連続で行われてしまい不自然です. このようなことを避けるため「最大連続行数」を1に設定したものが図5です.
 なお,自動のハイフネーションを使わない方法もあります. 自ら単語中にハイフン「-」を挿入して,その直後で“改行”する方法です. 自動のハイフネーションは機械的すぎて不自然に感じる場合に有効な方法です. しかし,単語中にハイフンを挿入するため,自動スペルチェック機能がスペルミスとして検出してしまう問題もあります.

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posted by みっちぃ (管理人) at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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