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posted by みっちぃ (管理人)

2011年03月22日

ジャーナリストがジャーナリズムに踊らされていないか

「原発事故」報道を検証する――海外と日本ではこれほど違う
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1103/22/news031.html

それに対してドイツをはじめとする諸外国は、客観的な情報を基に非当事者として冷静な判断を下すことができる。責任がないだけに正論や理想を主張できるが、その状況評価は時として冷徹で日本人が直視するには苦しいほどだ。
(記事より引用)
 興味深い記事だと思った.記者が指摘するように,日本政府の立場と諸外国の立場で見方が違うのは当然で,実際にそれが報道にも反映されているとのことなのだろう.
 しかし,客観的な情報とは何か?ドイツの記事の例として「あり得ないほど高濃度の放射性ヨウ素が検出された。もう水道水を飲むことはできない。」と書かれている.この日本語訳が記者の“主観”をどの程度含んでいるのか不明だが,“あり得ないほど”という表現と“高濃度”という表現に客観性があるのかどうか甚だ疑問だ.私だったら,これほどにあいまいで主観を伴う記事よりも,実際に数字が出ていて,基準値の考え方が説明されていて,それに基づく結論が書かれている記事を参考にしたい.
 この記者が主張することもよくわかる.例えば,
この話を聞いた時、原子炉爆発の可能性や飛来する放射性物質に対する危機意識の低さに、正直唖然とした。せめて「福島を含めた近隣都県から放射線に敏感な子供たちだけでも予防的に疎開させる」といった穏やかな手法も可能なはずだ。
という指摘は,まったくもって正論だと思うが,それ以外の短期的な危機が同時に起こっていること(電力事情,燃料不足,食糧事情,医療支援体制,避難先の受け入れ,より困窮な生活を強いられている被災地域,首都圏でも断水が続いている地域がある状況など)を考えれば,微量の放射線の影響という中長期的な危機については鈍感にならざるを得ないのではないか.そのような実情を考慮せずに,各国のメディアをネタにしてこのような記事を書いていては,ジャーナリストがジャーナリズムに踊らされているように見えてくる.
 この記事では,政府がSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)を公開しない件についても間接的に触れている.私も早く公開してほしいと思うのだが,仮に公開されたとしても,よほどに危機的な状況が示されない限り避難できないというのが現地にいる人間の実情である.避難するにしても,避難先もないし,避難する術もない.避難後の生活も不安だらけである.日本に在住していて急きょ帰国した外国人や,この記者みたいに海外に在住の地があるような日本人にとっては,SPEEDIはとても有効だろう.国外に避難できるのだからうらやましい限りだ.
 この記者が真の日本人で真のジャーナリストなら,海外の報道に関するネタよりも,すぐにでも帰国して現地に取材入りし,現地の実情を客観的に正確に伝えるような活動を望みたい.傍観者としての立場ではなく.
posted by みっちぃ (管理人) at 16:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
> この話を聞いた時、原子炉爆発の可能
> 性や飛来する放射性物質に対する危機
> 意識の低さに、正直唖然とした。せめ
> て「福島を含めた近隣都県から放射線
> に敏感な子供たちだけでも予防的に疎
> 開させる」といった穏やかな手法も可
> 能なはずだ。
> という指摘は,まったくもって正論だ
> と思うが,

最悪でも原子炉爆発はないと考えてるんですよ。政府はそしてほとんどの学者もそうです。なぜかというと、地震と同時に炉内に制御棒が入って核反応が停止されたからです。ただ放射性物質はでます。それでも最悪20-30kmの範囲だとみてるんですよ。
それで正しいんだと思いますけどね。
外国の方が情報がないだけ過敏なんでしょう。情報がないというと、日本政府が隠してるとかいうんでしょうがね。わたしは隠してないと思いますね。
彼らがそこまで関心がないだけでしょ。
専門家はちゃんと見てると思いますよ。
Posted by さば at 2011年03月26日 14:24
さばさん.コメントありがとうございます.

>外国の方が情報がないだけ過敏なんでしょう。
>情報がないというと、日本政府が隠してるとか
>いうんでしょうがね。わたしは隠してないと思
>いますね。彼らがそこまで関心がないだけでしょ。
>専門家はちゃんと見てると思いますよ。

私もそう思います.付け加えるとすれば,どこのメディアもタイトルと内容で読者を引き付けるように仕向けますから,傍観者的な立場の外国での報道が,客観性の乏しい過度な表現になるのは自明と思うのです.だから,引用元の記事のように,海外の報道をネタに“危機感覚をもう一段引きあげたほうがよい”と指摘しても違和感を感じるのです.

その後,IAEAも第三者的な立場で報告をあげていますので(http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html)海外からも信頼できる情報は得やすくなっていると思います.ただ,現時点でも原発は予断を許さない状況ですし,拡散した放射能物質の影響も深刻化しています.心配なのは,長期化するにつれて放射線限度量に近づく作業員が増えてくることです.そうなったときに,専門知識を持った作業員を新たに投入できるのでしょうか.

心配は募りますが,とにかく早く事態が収まることを祈るしかありません.

Posted by みっちぃ(管理人) at 2011年03月26日 15:29
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