自分は目が疲れやすい．よくもまぁ〜，コンピュータを使う仕事をこなしているもんだと思う．目の疲れがたまると片頭痛が起きて，目をつぶって数時間寝込まないと治らない．
　その理由がわかったのは数年前．眼鏡を作ろうとしたときだった．眼鏡店での検査で 中程度の斜位であるという判断が出たのである．
　斜位は眼位異常の種類の一つで，両目のそれぞれが違う方向を向いている症状である．同様の症状として斜視があるが，斜視の場合は1点に向けて視線を合わせることができず，改善のためには特殊な眼鏡の着用や手術などが必要になる．
　一方，斜位は両目で物を見ようとするときに，1点に視線を合わせることができる．しかし，もともと違う方向を向いている状態から，（無意識ながら）視線を合わせようと努力する形になるので目が疲れやすいのである．多くの人に軽度の斜位はあるようだが，私の場合は眼鏡で矯正することを検討したほうがよいほどの，中程度の斜位だといわれた．
　確かに，自覚することは多い．私は内斜位（目が寄り目）なのだが，本を読むときは横書きよりも縦書きのほうが楽だ．縦書きの場合は，視線を合わせた状態でそのまま下に目線を移動すれば読んでいける．しかし，横書きの場合は文字を追うごとに視線の補正が入っている自覚がある．文字ごとに文字幅が異なるプロポーショナルフォントで書かれた文書よりも，等幅フォントで書かれた文書のほうが読みやすいと感じるのも同様の理由かもしれない．等幅フォントは常に同じ幅で視線をずらしていけばよいから，余計な視線の補正が働かないのだろう．
　運動でも，バスケ，サッカー，バレーボールぐらいまでならOKだったが，野球，テニス，卓球はめっぽうダメだった．最もひどいの卓球で，球をまったく追うことができない．動体視力が弱いというよりも，小さい球に視線が合わせられないのだと思う．
　こんなんだからテレビゲームなども苦手だ．やるなら視線を動かさなくていいようなゲームか，小さな画面でやれるゲームのほうがいい．同じゲームでも，大画面になればなるほど下手になるし，疲れがひどい．
　自動車の運転では長時間運転でも疲れのひどさを感じたことはほとんどない．しかし，免許取立てのころは，山道を走って帰ってきた直後に酷い頭痛に悩まされたことが何度かあった．
　こうなった理由は，たぶん眼鏡をかけずに本を読む習慣が影響したのではないかと思っている．近視ゆえに，裸眼では目を紙に近づけないと活字が読めない．書籍などでは15cmぐらいまで近づけるので，目を寄り目にして読むことになる．その癖が内側の眼筋と外側の眼筋のバランスを狂わせたのではないかと思うのである．