今日，ある担当授業で1人の学生が「この日は出席していたはず．出席すステムの動作がおかしくて携帯電話から出席登録できなかったので，出席カードを出した」という．出席カードの束から該当のカードを自分で探させたのだが見つからない．「課題も1つ出していないのがあるので，今から出してもよいか」という．やる気は評価したいので，メールでよいので提出するように命じた．
　そう時間がたたないうちに，学生から課題レポートとしてのファイルが送られてきた．こんなに早くできるなら最初からしっかり取り組めばよいのにと思いながらファイルを開くと，「ファイルの作成者」が本人とは異なる値になっている．「最終保存者」は本人になっているので，他人からコピーを受け取り，名前とIDだけを変えて提出してきたのだろう．
　それを裏付ける証拠はほかにもあった．課題レポートはEXCELの関数の使い方を演習するものだった．当授業の出欠状況とレポートの提出状況をEXCELでまとめ，式と関数を活用して最終評価の点数を算出できるようにしたシートを作成するという課題である．したがって，Excelシートの内容は本人の状況を反映していなければならない．それなのに，「ファイルの作成者」が提出したファイルとまったく同じ内容になっている．例えば，本人は出席していたはずの回が欠席扱いになっている．その回について「ファイルの作成者」の出欠状況を確認すると欠席であった．
　ほか，セルの埋め方，セルの幅，罫線の使い方，計算式なども「ファイルの作成者」のレポートとまったく一緒．他人のコピーをそのまま提出したという以外に説明がつかないだろう．せっかく救済処置としてチャンスをあげたのに，非常に残念だ．
　この本人が出席を主張してきた回についても，e-Learningシステムを見てもログインした形跡がまったくない．出席管理システムとe-Learningシステムの連携動作の結果からも，当日本人が出席していなかったことが裏付けられている．当日欠席していたのは間違えないだろう．
　しっかし，課題レポートとしてのファイル提出の件といい，出席の主張といい，人を欺くようなことをよくも平気で出来るものだと思う．しかも，（言葉は悪いかもしれないが）稚拙で，無計画で，短絡的である．人をごまかすならもっと徹底的にやってほしいと思う．誰からも気づかれないレベルまでに徹底できれば，それをよい方向へ生かせば，社会人になった時に大いに活躍できる人間になれるはずだ．もっとも，人を欺くほどの労力を最初から正当なものに生かしたほうが，かえって楽な気がするが・・・．