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posted by みっちぃ (管理人)
2007年05月02日
日本語能力の低下の影響
ITMediaにて,日本語能力の低下に関する記事が掲載されいている.
例えば,「あたり2本,はずれが5本入ったくじがある.一度に2本のくじをひくとき,少なくとも1本当たる確率を求めなさい.」という問題があったとき,樹形図は正確に書けるのだが,“少なくとも1本当たる”の意味が分らずに間違った解答を書く学生が多かった.同様の問題で“1本だけ当たる確率”となった場合も,2本当たりくじがでる場合を含めて考えてしまうケースがあった.
=(イコール)の意味がわかっていないと思われる学生もいた.中学2年の問題で,「父親の年齢は子どもの年齢の3倍である.父親の年齢を x ,子どもの年齢を y とするとき.父親と子どもの年齢の関係を式で表しなさい.」という問題があったとき,私は次のように板書した.
では,「?のところにはなにを書き入れるべきでしょうか」と質問すると,大声で「+」だの「×」だのと言う声が飛び交った.直感的にそういうことを言い出すので,「式で表したい部分の文章をよく読んでごらん」と説明する.場合によっては,声に出させてしっかり読ませるのだがそれでもわからない.そこで私が「は」を強調して読む.しかし,それでも答えが出ないので,仕方なく「=でしょ」と答えを開示することになるのである.
もう一つ例を示そう.例題として「6%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて,8%の食塩水を120g作りたい.6%の食塩水と10%の食塩水をそれぞれ何g混ぜればよいか.」という問題があった.この問題は解答例がついているし,黒板を使って詳しく説明した.一方,学生達に与えた問題は「8%の食塩水と12%の食塩水と60gの水を混ぜて,6%の食塩水を100g200g(※)作りたい.8%の食塩水と12%の食塩水をそれぞれ何g混ぜればよいか.」という問題であった.「まず,例題を参考にしながら式を立ててみよう」という指示を与えたとき,案の定「わからない」というので,「では,例題と今解こうとしている問題を比べて,違うところはどこですか?」と尋ねた.さすがに「濃度が違う」や「作りたい食塩水の重さが違う」ということはわかるようで,直ぐに反応が返ってくる.だが,「60gの水を混ぜる」の有無については,何度読み比べさせてもなかなか反応が返ってこないのである.
このような事例と見ていると,数学に関する能力というより,日本語を読んで理解する能力が不足しているのではないかと思うのである. 文章を読んで理解できないのであるから,“どこが分らない”のかも本人は分らないだろう.この程度の日本語が分らないのであるから,他の教科においても成績が伸びるとは思えない.
残念なことに,バイト先の塾ではこのような学生に限って国語を受講していない場合が多い.本人もその親も,国語の重要性を軽視しているようにすら感じてしまう.学校で能力が向上すればそれで良いのだが,国語については勉強しすぎるぐらいの方が良いのではないだろうか.
もちろん,国内全ての学生がこうであるとは思わない.バイト先の塾は成績が伸び悩んでいる学生が多いため,上記はそういう学生を相手にしてきて私が感じたことであることを付け加えておく.
(※)2007-05-04 9:00修正:実際の問題をそのまま掲載せずに数字を変えて記載したところ,おかしな計算結果になることが判明しました.このような記事を書いておきながら恥ずかしいかぎりです.失礼しました.この記事のカテゴリ“有害電波発信地”らしいミスといえば,そうなのですが・・・.
カテゴリ“有害電波発信地”とは,(浅学なくせに)好き勝手言い過ぎて,その結果,自分自身の立場を悪くしかねないようなコメントを発信するためのカテゴリです.
・メール使う人ほど日本語力低い?これらの記事だけでなく,日本語能力の低下を指摘すること声は多い.英語も確かに必要だが,日本語能力の低下が他の教科の足を引っ張っていることも多いと思う.私がアルバイト先で教えている中学数学においても,日本語能力の不足が足を引っ張っていることを実感することがある.
・「骨が折れる仕事」は「骨折する仕事」 中学生レベルの大学生
例えば,「あたり2本,はずれが5本入ったくじがある.一度に2本のくじをひくとき,少なくとも1本当たる確率を求めなさい.」という問題があったとき,樹形図は正確に書けるのだが,“少なくとも1本当たる”の意味が分らずに間違った解答を書く学生が多かった.同様の問題で“1本だけ当たる確率”となった場合も,2本当たりくじがでる場合を含めて考えてしまうケースがあった.
=(イコール)の意味がわかっていないと思われる学生もいた.中学2年の問題で,「父親の年齢は子どもの年齢の3倍である.父親の年齢を x ,子どもの年齢を y とするとき.父親と子どもの年齢の関係を式で表しなさい.」という問題があったとき,私は次のように板書した.
父親の年齢: x |
もう一つ例を示そう.例題として「6%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて,8%の食塩水を120g作りたい.6%の食塩水と10%の食塩水をそれぞれ何g混ぜればよいか.」という問題があった.この問題は解答例がついているし,黒板を使って詳しく説明した.一方,学生達に与えた問題は「8%の食塩水と12%の食塩水と60gの水を混ぜて,6%の食塩水を
このような事例と見ていると,数学に関する能力というより,日本語を読んで理解する能力が不足しているのではないかと思うのである. 文章を読んで理解できないのであるから,“どこが分らない”のかも本人は分らないだろう.この程度の日本語が分らないのであるから,他の教科においても成績が伸びるとは思えない.
残念なことに,バイト先の塾ではこのような学生に限って国語を受講していない場合が多い.本人もその親も,国語の重要性を軽視しているようにすら感じてしまう.学校で能力が向上すればそれで良いのだが,国語については勉強しすぎるぐらいの方が良いのではないだろうか.
もちろん,国内全ての学生がこうであるとは思わない.バイト先の塾は成績が伸び悩んでいる学生が多いため,上記はそういう学生を相手にしてきて私が感じたことであることを付け加えておく.
(※)2007-05-04 9:00修正:実際の問題をそのまま掲載せずに数字を変えて記載したところ,おかしな計算結果になることが判明しました.このような記事を書いておきながら恥ずかしいかぎりです.失礼しました.この記事のカテゴリ“有害電波発信地”らしいミスといえば,そうなのですが・・・.
カテゴリ“有害電波発信地”とは,(浅学なくせに)好き勝手言い過ぎて,その結果,自分自身の立場を悪くしかねないようなコメントを発信するためのカテゴリです.
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平方根のお話
Excerpt: 今,バイト先で中学3年生に平方根を教えているのですが, とホワイトボードに書きました.口頭で「これはプラスマイナスルート4と読みます.ルートを付けると,その中に入った数字の平方根をあらわします.つま..
Weblog: おきらくプログラマー
Tracked: 2007-06-25 01:02
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平方根のお話
Excerpt: 今,バイト先で中学3年生に平方根を教えているのですが, とホワイトボードに書きました.口頭で「これはプラスマイナスルート4と読みます.ルートを付けると,その中に入った数字の平方根をあらわします.つま..
Weblog: おきらくプログラマー
Tracked: 2007-06-25 01:02
・「骨が折れる仕事」は「骨折する仕事」 中学生レベルの大学生
から来ました。
はうあ!!
掲載されている数学(ひょっとして「このレベルなら算数」とおっしゃるのでしょうか?)問題が難し過ぎるのでコメントします!
「6%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて,8%の食塩水を120g作りたい.6%の食塩水と10%の食塩水をそれぞれ何g混ぜればよいか.」
考える…考える…
濃度6%の食塩水を700g、濃度10%の食塩水を60g配合して760gの食塩水(当方脳内試算では濃度8%相当)を作成、そこから120gを提出して残りは捨てる…
「8%の食塩水と12%の食塩水と60gの水を混ぜて,6%の食塩水を100g作りたい.8%の食塩水と12%の食塩水をそれぞれ何g混ぜればよいか.」
考える…考える…
濃度8%の食塩水を0g、濃度12%の食塩水を60g、60gの水を配合して120gの食塩水(当方脳内試算では濃度6%相当)を作成、そこから100gを提出して残りは捨てる…
くふあ!頭がいっぱいいっぱいであります!
ちなみに私は、仕事の出張旅費の計算ができませんorz
すみません.問題文ですが,著作権上の問題となりえると考えて,数字は適当に変えて記載しました.そのため,実際に計算するとつじつまが合わないですね・・・.
前者の問題は,60gずつ混ぜればよい計算になりますが,後者の問題は8%の食塩水を“-30g混ぜる”というわけが分らない計算になってしまいます.そうなると,鳥頭のおっしゃるとおり“捨てる”ということになるのでしょうが,この“-30g”は混ぜてから捨てるという意味ではないので,さらに話がややこしく・・・.
上記のような理由があるとはいえ,恥ずかしい記事を書いてしまいました.失礼しました.