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posted by みっちぃ (管理人)

2014年01月12日

学生駐車場と医療制度

 自分が学部生だった頃,学生駐車場に並んでいるクルマで目立つものと言えば2ドアクーペだったと思う.中には,マイナーチェンジしたばかりのR33 GT-Rが止まっていたりした.自分の周りの仲間達の中では,改造してサーキット走行を楽しんでいる連中が多かった.毎日,往復7時間の通学をしていて自分のクルマさえ持てない自分にとっては羨ましい限りだった.
 それから10年ぐらいたち学生駐車場に並ぶクルマも変化してきたと思っていた.今から5年ぐらい前は,軽自動車やコンパクトカーがほとんどで2ドアクーペはまれに見かける程度.しかも,かなり年式の古そうな中古車を改造したようなクルマだったりする.リーマンショック後の不景気もあったと思うので,いろいろと苦労している学生が多いのだろうと思った.
 その後,理工学部しか無かったキャンパス内に医療技術学部が新設された.すると,今度は外国車が目立つようになった.アウディ,メルセデスベンツ,BMW,フォルクスワーゲンなどなど.最近見かけたものでもっとも高いのは,現行型のCLクラスではないかと思う.国産車ではLSやR35 GT-Rなども止まっていることがある.本人が所有するクルマと言うよりは,親のクルマを借りてきて本人が乗っているのだと思うが,そうであっても大きな変化といえるだろう.
 安全性を理由に長年ドイツ車を乗る人は少なくないと思う.我が子に乗せるならより安全なクルマの方がよいと考える親は多いと思う.確かに,同クラスの国産車と比べたとき安全装置がすべて標準で備わっている外国車は多い.国産車が安全を軽視ししていると言われても仕方ないかもしれない.しかし,その分価格も高い.安全にお金を払えるのも親に一定以上の収入があるからだと言えば,それを否定することは出来ないはずだ.
 今回,医療技術学部の新設を機に学生駐車場の変化を感じた.だとすると,医療系に携わっている親をもつ学生が増えたことによる変化だといえないだろうか.医療系の家庭は高所得なのだろうとだれもが考えるだろう.
 でも,その所得を支えているのは今の日本の医療制度かもしれない.今の医療費は海外に比べれば安いと主張する者がいる.もしこの状況で混合診療を解禁したら医療費が高くなり,お金のない人は良質な治療を受けられなくなるなどという主張もある.しかし,これらの主張はどれほど正当だと言えるのだろうか.混合診療の解禁を最も恐れているのは医療者だという指摘も散見するように,今の日本の医療制度が無くなって来院する患者が減っても,今まで通り医療者は高所得を希望し続けるつもりなのだろうか.
 ところで,先日こんな記事を見つけた.
「金の切れ目が命の切れ目」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131228/plc13122807520007-n1.htm

一方、「高齢化」と並んで医療費を押し上げているのが、新技術、薬、高度な検査機器の開発・普及といった「医療の高度化」である。あまり知られていないが、医療費増加要因としては高度化によるところが一番大きいのだ。
(中略)
財務省によれば、22年度の医療費の自然増約1・3兆円のうち、高齢化の影響は約0・6兆円、高度化による押し上げは約0・8兆円だ。自然増以外では、診療報酬改定分が約0・1兆円である。
 高度化が医療費を膨らますのは値段の高さだけではない。高度医療を必要とする患者は、複数の大病を抱えている場合が多い。先端医療技術で1つの重病が治り、命を永らえたとしても、結果として闘病生活が長引くことになる。
(記事より引用)
 私も兼ねてからこの観点で今の医療制度の在り方に疑問を持ち続けている.そして,この事実に関連性を感じるのが不均等な“医師不足”である.
 医師不足が社会的問題として指摘されている.その中には,地方の診療所や病院が破格の条件を提示しても希望者が現れないケースがある.破格の条件であっても希望者が現れない理由の一つに高度な医療に携わることができるか否かがあるという.最先端の医療に携わり自身の技能を研鑽していくことは医師にとっても日本に医療にとっても非常に重要なことだと思う.しかし一方で,すべての患者にすべての治療に最先端の医療が(常に)必要であるとなぜ言えるだろうか.今現在起こりつつある医師不足の問題を直視し,その改善に努めることも医師の役目ではないだろうか.国民は皆保険制度のもとで平等で均質な医療を受けられることを望んでいるし,それが実現されると信じているからこそ現制度を支持している.しかしこのケースは,地方や診療所や病院等の医師の不足が医師の自我によって生じていると見ることもできる.もし,医師が自らのキャリアアップ優先の姿勢を変え,地方の診療所や病院に(破格の条件を辞退したうえで)適切な給料のもとで医療活動に従事してくれたら,不均等な医師不足も改善するかもしれないし社会保険料の抑制になるかもしれない.つまり,

   医師の(経済的な)欲求
    ↓        ↓
 キャリアアップ優先→医療の(過剰な)高度化
    ↓        ↓
 医師不足        ↓
    ↓        ↓
 医師1人あたりの → 医療費の増加
 人件費の増加      ↓
             税金から補てん
             ↓
             国民負担の増加

というように,医師の欲求を我々国民が満たしている構図に見えないだろうか.しかも,これが国の制度として正当化されているのである.
 この見方が,いかに偏屈で常軌を逸するものであるかは承知している.自我の欲求ではなく,患者のためを思って医療をより高度に発展させようとしている医師がいることも知っている.しかし,何か腑に落ちないのはなぜだろう.
 この点に関して,この記事も引用しておこう
来年度予算、社会保障費めぐり勝利した周到な財務省、失態続きの厚労省に資料改竄疑惑も
http://biz-journal.jp/2013/12/post_3743.html

医療費の国庫負担は、次年度予算でも11兆2000億円が計上されているが、「医師の平均年収約3000万円」という試算が出ており、一部の多忙な勤務医を除けば多過ぎるとの批判も多い。それでなくとも社会保障分野は高齢化社会の中、毎年1兆円ずつ税金投入が伸びていく。高齢者数が増えれば患者数も増え、病院の財政も医師の給与も潤う。だから、診療行為の対価をカットしていけば、税金投入は減り、病院経営にも悪影響はないというのが財務省のロジックだった。厚労省サイドは、これを打ち砕くだけの説得材料を持たなかった。
 焦った日医と厚労省は、12月に入ってから激しい巻き返しを狙う。自民党本部や議員会館には関係者が日々陳情に訪れ、それを受けて族議員らが次々と首相官邸に上訴しに行く。
(中略)
最終的には、安倍首相の仲裁で、麻生財務相と同郷の横倉日医会長との間で落とし所が探られ、麻生財務相と田村厚労相との折衝で、「プラス0.1%」という数字が12月20日に決まった。
(記事より引用)

 「長い物には巻かれろ」という言葉がある.はたして本当に巻かれ続けるだけでいいのだろうか.
posted by みっちぃ (管理人) at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記